小原将寿選手 インタビュー – 2022, Speedland, 2023, and beyond

小原将寿選手日本を代表するトレイルランナー小原将寿選手がSpeedland@Rufus & Co. のアンバサダーに就任しました。小原選手はSpeedlandのハイパーパフォーマンスシューズをメインに今後のレースを戦っていきます。


今後の小原選手の活躍とそれを支えるSpeedlandのパフォーマンスにどうぞご注目ください。


[Rufus & Co. (以下 Rufus)] 2022年を振り返るとどんなシーズンでしたか?

[小原将寿選手 (以下小原選手)] 今年(2022年)のレース結果は以下です。

UTMF:DNF
マウントAWA:3位
奥信濃100:優勝
UTMB:103位
ハセツネダブル:優勝
スリーピークス:3位
日光マウンテンマラソン:優勝

自分自身で今シーズンに点数を付けるなら、30点だと思います。 今年はUTMBで結果を出すことができなかったということが、全てかなと思っています。

2019年のUTMBで 8位になってから3年。次に走る時にはより高みへ、それだけを目標として走ってきましたが、何もできないまま終わってしまいました。 奥信濃やハセツネダブルなど、上手く走れたレースもありましたが、目標としていたレースでトレーニングの成果を出すことができなかったということで、非常に悔しいシーズンでした。

[Rufus] 客観的には素晴らしい結果だと思いますが、小原さんの兼ねてからの目標からすると厳しい評価なのですね。今回Speedland SL:HSVを使用するまでの、小原さんのシューズ遍歴やシューズ選びの基準を教えてもらえませんか?

[小原選手] トレイルランニングをやり始めた頃は、雑誌やネットで調べてサロモンやスポルティバのシューズを履いていました。その後はinov-8やHoka、Nikeを履いて、そしてSpeedlandに至る、という感じです。

シューズを選ぶ時に重視するのは、軽さとグリップです。正解に言うと「でした」

[Rufus] なるほど、そして今回Speedland SL:HSVを初めて履いた時の印象を教えてください

[小原選手] シューズを受け取り家の中で試し履きをした時の第一印象は、「ラグジュアリ〜!」でした。 シューズを履いて、そんなことを思ったのは初めてでした。 アッパーのニット素材がしっかりしているけど、すごくソフトなので優しく包み込まれてくれるような履き心地はまさに、ラグジュアリ〜!でした。 しかし、気になったのは重さです。僕がシューズを選ぶ基準はあくまで軽さとグリップであったので、すごいシューズではあるけど、not for meかな…というのが、第一印象でした。

[Rufus] Not for me にならなくてよかったです (笑) アッパーは耐久性の高いダイニーマニットを使用しています。履き心地に特徴はありますか?

小原将寿選手

2022年ハセツネダブルでSpeedland SL:HSVを履いて見事優勝を飾った小原選手 (Photo: トレイルランナーJP)

[小原選手] 前に触れましたが、ソフトな履き心地は、他のトレイルシューズとは一線を画すと思います。 サイズ感はNikeやHokaは25.5cm〜26cmで、SpeedlandはUS:8 (26cm)を履いていますので、それほど大きく変わらないと思います。

[Rufus] 耐久性と履き心地のソフトさが両立しているということですね。履き心地に関して言うと、BOA Li2という最新の双方向にアジャストできるフィッティングシステムを備えています。フィット感や使用感の率直な感想を聞かせてください。

[小原選手] 締めるも緩めるも簡単に出来るし、レース中に紐が解ける心配もないので、レース向きだと思います。
それと個人的には、僕はモートン症という神経障害持ちで、靴紐をキツく締めると足裏に痛みが出てしまうので、今まではシューズの紐をゆるゆるの状態で履いていたので、当然ですが足元は不安定な状態になってしまうので、転んだり足首を捻挫することが頻発していました。
しかし、このシューズはBOAシステムが2つあって、足先は緩く設定して、上部(足首に近い方)をキツめにすることで、モートン症を気にせずに、かつしっかりとフィットさせることが出来るので、物凄く助かっています。

[Rufus] BOAはフィット感と調整の容易さで本当にトレラン向きだと思っていて、もっと多くのシューズに採用してほしいなあと思っています。また、SL:HSVは着脱式のフレックスなカーボンプレートを搭載していますが、履き心地や反発への影響はどうでしょうか?

[小原選手] 先程、僕のシューズ選びの基準はグリップと軽さと書きましたが、軽さを重視する理由は、スピードを求めているからです。単純に「軽ければ速い」という発想から、軽いものを求めていました。

このSL:HSVを初めて履いた時は、スピードを求めるならば、ちょっと重いかな・・と感じました。しかし、実際に走ってみると、カーボンプレートの反発力がハンパじゃなく、重さを補って余りあるほどのスピード感を生み出してくれました。

実際に今年(2022年)の10月にスリーピークスのレース中に、下り基調のトレイル区間で3:13/kmのスピードが出ていまして、レース中にも実感できました。

[Rufus] トレランのレースで3:13/kmはスゴいですね (笑) ビブラムのアウトソールを採用するブランドが多い中、ミシュラン製アウトソールを使用しています。クッションやグリップはどうですか?

speedlandSL.HSV側面

SL: HSV 強力なグリップのミシュラン製アウトソールと最新式BOA Li2

[小原選手] グリップがすごいです。

今年のハセツネダブルが強い雨により、田んぼのようなトレイルになっていました。下りでは他の選手はアリ地獄に引きづり込まれるみたいに滑り落ちていく中、そんな酷いサーフェスですら、このSL:HSVはしっかりと地面を捉えてくれたため、走ることができました。

また、濡れた岩もしっかりと捉えてくれるため、恐怖心を殺して下りを攻める走りをすることが可能でした。

[Rufus] 使えるテクノロジーを全部盛り込んだとも言えるSpeedlandですが、履いていて気になる点などがあれば教えてください

[小原選手] 正直に言うと、爪が死にました (笑) いわゆる黒爪になりましたね。
ただ、その原因がシューズのせい(トゥーチップの硬さなど)なのか、グリップが強くて下りを今まで以上にぶっ飛ばせるからなのかは分かりません。
後者が原因だとしても、結局シューズのせい(おかげ)なのかもしれませんが (笑)

[Rufus] Speedlandを履いて初めてのレース、ハセツネダブルで見事に優勝しました。シューズがパフォーマンスにどう影響したか聞かせてください。

[小原選手] 先に触れましたが、2周目の荒れたサーフェスで走る上では、このシューズの性能が大きく影響したと思います。

多くの選手が、あの環境では自分の実力を発揮するのが難しかったと思います。そんな中で、僕は最後まで僕の走りをすることができた出来た。それが勝負を分けたと感じます。

[Rufus] ありがとうございます。SL:HSVはどんなランナーやレースに向いていると思いますか?

speedlandSL.HSV ミッドソールカルビテックスカーボンプレート(取り外し可能) / Pebax®エラストマーを含む独自のミッドソール

[小原選手] 今年(2022年)は、SL:HSVで、ロング(ハセツネダブル)とショート(スリーピークスと日光)の両方で結果を出すことが出来ました。
その経験から、距離は選ばないシューズだと感じました。

敢えて言うなら、本気のランナーさんにお勧めしたいです。
あくまで僕の感覚ですが、履き心地のラグジュアリー感やグリップ力、カーボンプレートによるスピード感など、これまで僕が履いてきたシューズより確実に高い性能を持っています。
ただ2倍も3倍も違うかというと、それは違います。感覚的には1.2倍とかそのくらいかと。
その違いを求めるのであれば。
自分の走りに対して、そこまで本気になれるランナーさんに、お勧めしたいです。
安くない買い物ですからね (笑)

[Rufus] 今までシューズ選びの自由度を優先した小原選手がSpeedland@RufusのアンバサダーとしてSpeedlandを選んだポイントはどういったところでしょうか?

[小原選手] 単純にシューズがものすごく僕にハマったということ、このシューズならばロングだけじゃなくショートでも勝負が出来ると思えたというのが、1番の理由です。 また、Rufusさんとお話しをさせていただく中で、ランナーにとってのシューズの重要性を理解していただいているということ、その上である程度の選択の幅(自由度)を残していただけるということを言っていただけたことが、大きかったです。

[Rufus] ディラン・ボウマン (Dylan Bowman) がアスリートとして深く関わったGS:TAMという、より長距離にフォーカスしたモデルが来春に発売になります。もし使用するとしたらどんな使い分けになりそうですか?

[小原選手] 履いてみないと分からないというのが、正直なところです。
現在のSL:HSVでロングでもいけるという感覚を得ているので、単純にショートはSL:HSVでロングはGS:TAMという使い分けではないかもしれません。
GS:TAMがポップなテイストなので、例えば明るいウエアの時にはGS:TAMでモノトーンの時にはSL:HSVで…とか。 1人で走る時にはSL:HSVで、みんなで走る時にはGS:TAMで…とか。 楽しみ方は色々あるかなと思っています。 早く履いて走ってみたいです。

[Rufus] Speedlandの創業者デイブ・ドンブロウ (Dave Donblow)が、小原選手様に春に早速GS:TAMを送ってくれることを約束してくれました。どうぞお楽しみに!
さて、小原選手の来年(2023年)以降の目標を教えてください。

[小原選手] 来年(2023年)から数年間の目標としては、ウエスタンステイツでTOP3に入ることを目指します。 そのために、まずはウエスタンステイツのゴールデンチケットを取ること目標にしていきます。

[Rufus] ウエスタンステイツはUTMBと並び、トレイルランナー憧れのビッグレースですし、そこでの表彰台は大きなチャレンジかつモチベーションになりそうですね。2023年も小原選手の活躍を応援しています!

小原将寿選手インタビュー風景

小原将寿(おばら まさとし)
現役選手として日本トップの実績と実力を持つトレイルランナー。小学校から大学まで野球一筋。2011年にトレイルランの存在を知り、主に100マイルなどのロングレースを活躍の場とする。幼少の頃からドラえもんが好き。

1982年6月8日 (41歳)
北海道出身
会社員 (システムエンジニア)
ラン歴:14年(トレイルランニングは12年)
フルマラソンPB: 2時間24分台

主な戦歴:

2019年 UTMF4位

     UTMB8位

2022年 奥信濃100優勝

     ハセツネダブル優勝

2023年 トレニックワールド彩の国100マイル優勝 (コースレコード)

サロマ湖100kmウルトラマラソン一般の部優勝

信越五岳トレイルランニングレース100mile優勝 (コースレコード)

小原将寿選手のその他のコンテンツ:

小原将寿選手 インタビュー – 2022, Speedland, 2023, and beyond

小原将寿選手 インタビュー - 信越五岳2023, beyond the limits

 


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